聖書的セカンドチャンス論とは?死後の回心の機会はあるのか
陰府(よみ)の人々に福音宣教をされるキリスト
[正教のイコン(聖画)]
「キリストの陰府における福音宣教」という主題は、
正教(オーソドックス 東方教会)では昔から一般的なものだった。死後に福音を聞き回心する機会
前章「天国・よみ・地獄」では、未信者が死後に行く「陰府」(よみ 黄泉)が「地獄」とは異なるものであることをみました。
この章では、
「キリストを知らずに死んだ魂が、死後の世界で福音を聞いて回心し、救われる機会は果たして与えられるか」
という問題について、みてみましょう。
本書では、この地上の生、すなわち地上で生きている間に回心して救われる機会を「ファーストチャンス」と呼んでいます。
一方、死後に福音を聞き、回心して救われる機会を「セカンドチャンス」と呼んでいます。地上の生がファーストチャンス、死後の生がセカンドチャンスです。
結論からいうと、私は聖書の教えに基づき、「死後のセカンドチャンスはある」と考えています。それについては、有名な第一ペテロの聖句だけでなく、少なくとも他に七つ、計八つの聖句がセカンドチャンスを示している事実を、みていきたいと思います。
セカンドチャンス論は、いわゆる「万人救済説」(すべての人は救われる)ではありません。万人救済説は聖書的な教えではありません。またセカンドチャンス論は、「煉獄説」(中途半端なクリスチャンは煉獄で清められてから天国に入る)や「無名のキリスト者説」(キリスト者とは称されなかったが実質的にキリスト者と同様なので救われる)でもありません。
私はここに、「死後に、よみでキリストの福音を聞き、それに従って救われる人々もいる」という聖書的セカンドチャンス論を展開したいと思います。セカンドチャンスについてはクリスチャンの中に、
「セカンドチャンスがあるといえば、未信者は死後に回心すればいいと考えてしまうから、説くべきではない」
という意見の人々もいます。しかし私は、それは違うと考えています。死後の世界がいかなるものであり、福音とは何かを正しく説くならば、
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